雙葉を志望する子の答案を見ていると、記述が長くなりすぎることがあります。たくさん書いているので、一見よく考えているように見える。しかし、読んでみると、問いに対する答えがなかなか出てこない。理由もいくつか並んでいるけれど、結局何を言いたいのかが弱い。そういう答案は少なくありません。
もちろん、短ければ良いという話ではありません。むしろ、雙葉の国語では、文章をきちんと読み、根拠を踏まえて説明する力が必要になります。ただ、その力は「たくさん書くこと」とは違います。大事なのは、問いに正面から答えているか、そしてその答えを支える根拠がはっきりしているか、ということです。
長い答案ほど、結論がぼやけやすい
記述が長くなる子は、真面目に書こうとしていることが多いのです。思いついたことを落とさずに書こうとする。本文中の言葉もなるべく入れようとする。だから答案は長くなる。
しかし、長く書けば書くほど、結論が後ろに回ったり、途中の説明がふくらみすぎたりします。採点する側から見ると、「結局、この子は何を答えようとしているのか」が見えにくくなる。これは非常にもったいないことです。
家庭でまず見るべきなのは、字数ではありません。子どもに「この答案の結論はどこ?」と聞いてみることです。本人がすぐに指させない場合、その答案はたいてい削れます。
削る基準は「問いに直接つながるか」
答案を削るとき、親が赤ペンで直しすぎる必要はありません。むしろ、親が完成答案を作ってしまうと、子どもは次に自分で直せなくなります。
家庭でやることは、もっとシンプルで良いのです。
まず、問いをもう一度読ませる。次に、子どもの答案の中で、問いに対する答えになっている一文を選ばせる。そして、その一文を支える根拠を一つ、あるいは二つに絞らせる。
このときの合言葉は、
「それは問いに直接つながっている?」
です。同じことの言い換え、雰囲気だけの説明、本文の言葉を何となく写した部分は、削ってよいことが多い。一方で、結論を支える具体的な根拠や、心情の変化を示す本文中の言葉は残します。
大事なのは、削った理由を子ども自身が説明できることです。「ここは同じことを言っているから削った」「この根拠だけで結論が支えられるから残した」と言えれば、次の答案は変わってきます。
塾のペースに合わせすぎない
塾では、たくさんの問題を扱います。授業の進度もあり、宿題もある。そこで記述の一つひとつを、雙葉の答案としてどう直すかまで深く見る時間は限られます。
だから、家庭では塾の課題を増やすのではなく、塾で書いた答案を一つだけ取り出して、削る練習をすれば良いのです。毎日やる必要はありません。週に一題でも、きちんと直せば十分意味があります。
過去問を早く大量に解かせる必要もありません。まずは、今書いている記述答案の中で、結論と根拠を整理すること。これができないまま過去問に入っても、長い答案を量産するだけになってしまいます。
家庭でできる一番小さな練習
今日からやるなら、次の三つで十分です。
一つ目は、答案を書いた後に「結論はどこか」を指ささせること。
二つ目は、「その結論を支える根拠はどれか」を一つ選ばせること。
三つ目は、「なくても意味が通る一文」を子ども自身に消させること。
これだけでも、答案はかなり締まってきます。親が全部直すのではなく、子どもに選ばせる。ここが大事です。自分で削れるようになると、書く前にも「これは必要か」と考えるようになります。
長く書ける力を、点になる答案に変える
記述が長い子は、決して悪い状態ではありません。書こうとする材料は持っているのです。ただ、それをそのまま並べるのではなく、問いに合わせて選び直す力が必要になります。
雙葉を目指すなら、国語の記述は後回しにしない方が良いでしょう。特別なことをたくさんやる必要はありません。一題の答案を丁寧に見て、結論を確かめ、根拠を絞り、余分な説明を削る。その積み重ねが、雙葉の答案に近づく一番確かな練習です。
フリーダムオンラインでは、学校別の視点を早く持ちながら、家庭で取り組むべき課題を整理していきます。記述答案は、量よりも直し方です。長く書ける力を、点になる答案に変えていきましょう。
