雙葉の書道では、半紙に字を書くところで終わりません。色紙や短冊の作品に加えて、手紙、はがき、祝儀袋、芳名帳の書き方も学びます。学校の教科紹介に、そこまで具体的に書かれています。
祝儀袋や芳名帳は、ふだん何度も使うものではありません。しかし、いざ書くことになると、どこに何を書くのか、どのくらいの大きさで書けばよいのか、案外迷うものです。見本を写せば済むように見えても、名前は自分の手で書かなければなりません。
書道というと、きれいな字を書く授業を思い浮かべます。雙葉が目を向けているのは、その先です。手紙を出す、人を祝う、受付で名前を書く。社会に出てから出会う場面まで、学校の授業の中に入っています。
高校の選択授業では、楷書、行書、草書だけでなく、隷書や篆書、仮名、篆刻、刻字、近代詩文書まで扱い、半切大の表装作品も完成させます。日常で使う文字から、古典を学び、自分の作品を仕上げるところまで続いていくのです。
私は、実用と芸術を分けていないところがおもしろいと思います。祝儀袋の小さな名前も、表装する大きな作品も、同じ自分の手で書く文字です。教養は、知っているだけではなく、必要なときに使えるところまで。雙葉の書道は、そのことをよく表しています。
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