雙葉理科、「同じ速さ」で答えが逆になる

「同じ速さ」でも、何を同じにするかで答えは逆になります。2026年度の雙葉理科大問1は、ループコースターの形から始まり、水の入ったバケツを回す実験へ移りました。半径と回転の速さが、遠心力にどう関わるかを確かめる大問です。

実験では、回転の半径を0.9メートルと1.1メートルに分け、一回転にかける時間を少しずつ延ばします。半径0.9メートルでは1.8秒なら成功し、2.0秒で失敗。1.1メートルでは2.0秒まで成功し、2.2秒で失敗しました。同じ時間で一回転するなら、半径が大きい方が遠心力は大きい、と読めます。

ところが、次の設問では「回転する速さ」を一秒に進む距離へ置き換えます。0.9メートルの円を1.8秒で回す速さは毎秒3メートル。同じ毎秒3メートルで半径1.1メートルの円を回すと、一回転は2.2秒になり、表では失敗です。速さをそろえた途端、半径が小さい方が遠心力は大きくなる。

数字は同じ表にあるのに、結論がまったく反対になる。違うのは、比べるときに固定したものです。一回転の時間をそろえれば、半径が大きいほど一秒に進む距離も増えます。毎秒の距離をそろえれば、半径そのものの違いが残る。私は、ここがこの問題のおもしろいところだと思います。

最後は、円運動へ入るときの半径を大きくし、少しずつ小さくするループの形へ戻ります。公式を当てるだけなら、ここまで話は動きません。「同じ速さ」という短い言葉の中身を変え、実験の表からコースターの形まで説明させる。この大問は、条件を読むこと自体を問いにしています。

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