塾の組み分けでは悪くないのに、雙葉学園の国語記述になると、どうも答案が物足りない。そう感じるご家庭は少なくありません。これは、塾の成績が意味を持たないということではありません。ただ、塾の組み分けで測っている力と、雙葉の国語で求められる力は、必ずしも同じではないのです。
塾の組み分けは、限られた時間の中で多くの受験生を比較するためのテストです。知識、処理力、読解の速さ、ミスの少なさなどが点数に表れます。一方、雙葉の国語記述で大事になるのは、本文をていねいに読み、設問に対して必要なことを過不足なく言葉にする力です。
ですから、塾のクラスが上がった、偏差値が取れている、ということだけで「雙葉の国語も大丈夫」と考えるのは少し危険です。逆に、組み分けの国語が安定しないからといって、すぐに雙葉に向いていないと決める必要もありません。見るべきところが違うのです。
家庭で最初に見てほしいのは、答案の「長さ」ではなく「中身」です。記述欄を埋めていても、本文の言葉をただつないでいるだけで、何を説明したいのかがはっきりしない答案があります。反対に、短くても、設問で聞かれていることにまっすぐ答えていて、根拠がきちんと入っていれば、そこには伸びる土台があります。
まず、最近の国語の答案を一枚見てください。そして、次の三つだけ確認します。
第一に、設問に答えているか。理由を聞かれているのに気持ちだけを書いていないか、心情を聞かれているのに出来事の説明で終わっていないか。ここがずれると、どれだけ本文の言葉を使っていても点にはなりにくい。
第二に、根拠が本文にあるか。子どもは、何となくそう思った、という感覚で答案を書くことがあります。しかし記述では、「本文のどこからそう言えるのか」が大事です。家庭で見るときも、いきなり直すのではなく、「それはどこに書いてあった?」と聞いてみるとよいでしょう。
第三に、言葉が少し浅くないか。たとえば「悲しい」「うれしい」「すごい」だけで済ませてしまうと、答案は幼く見えます。雙葉の国語では、派手な表現はいりませんが、気持ちや理由を少し丁寧に言い換える力は必要です。日頃から、子どもの言葉を一段だけ具体的にする練習をしておくと、記述にもつながります。
ただし、家庭で全部を添削しようとしない方がよいと思います。親が赤を入れすぎると、子どもは自分で考える前に「正解の文章」を待つようになります。大事なのは、答案を親が完成させることではなく、子ども自身にもう一度考えさせることです。
家庭でできることは、むしろシンプルです。答案を一つ選び、「ここは何を説明したかったの?」と聞く。子どもの説明を聞いたうえで、「それなら、この言葉を少し変えると伝わりやすいね」と一か所だけ直す。そして、もう一度子どもに書かせる。このくらいで十分です。
塾の課題が多い中で、さらに記述練習を増やすのは簡単ではありません。だからこそ、量を増やす前に、答案の見方を変える必要があります。毎週たくさん書かせるよりも、一枚の答案を少し深く見直す方が、雙葉の記述には効くことがあります。
もし家庭で見ていて、設問とのずれが大きい、本文の根拠が拾えない、言葉がいつも同じになる、という状態が続くなら、学校別の添削や個別の指導を検討してもよいでしょう。必要なのは、塾の勉強を否定することではありません。塾で身につける力に加えて、雙葉の国語に合わせた答案の作り方を補うことです。
雙葉を目指す国語では、特別な技巧よりも、本文に戻ること、聞かれたことに答えること、自分の言葉で整理することが大切です。塾のクラスに一喜一憂する前に、まず一枚の答案を見てください。そこに、これから伸ばすべき力がかなりはっきり表れています。
フリーダムオンラインでは、志望校に合わせた学習の進め方を整理しながら、必要に応じて個別ワークスで記述や答案の見直しにも対応しています。雙葉の国語記述に不安がある場合は、まず現在の答案をもとに、どこを直せばよいかを具体的に見ていくことが大切です。
