塾に行かないメリット

塾に行けば、塾のペースでやらなければいけないところは当然あります。

しかし、近くに塾がない、ということになれば、当然違う道を選ばないといけない。

これが今の状況では案外メリットになるのです。

早くから通塾をさせられている子どもたちが多い中、それとは一線を画して、自分のペースで勉強していくことは、難しさもあるが、ある意味他との競争や、成績情報に惑わされなくて済む面もあるのです。

今年も引っ越しを前提とする家族が見事第一志望を手にしましたが、すべてオンラインで受講して、見事に栄冠を勝ち取りました。

普段の日に自分のペースで勉強を続けることは、なかなか大変ですが、しかし、習慣にしてしまうとそれほどでもない。

子どもたちのモチベーションがある限り、通塾の負担もないし、家族と一緒に食事はできるし、スケジュールの変更はある程度自在に対応できる。

何もそんなに塾に拘束されなくても、うまく行く方法はあるのだということをぜひ知っていただければと思います。

寮のある一貫校

寮のある学校というのは、それほどたくさんあるわけではない、と思われているかもしれません。

しかし、調べてみると、結構たくさんあります。

一般に中学時代に下宿したり、一人暮らしをすることは認められていないので、どうしても寮に頼るところはありますが、これだけあると、いろいろ可能性が出てくるのではないでしょうか。

寮のある中学受験校

もちろん、首都圏や近畿圏の寮のない学校を志望することも可能です。

その場合は保護者の方が一緒に3年間は同居しなければなりませんが、親戚の家から通うということも可能である場合も少なくないようです。

ですから、希望の学校を調べてみられると、チャンスが広がっていくでしょう。

地方の寮制私立高校の医学部躍進

ちょっと古いデータになりますが、2019年のものです。

東洋経済 医学部進学に強い高校」ランキングTOP100

1位 東海(愛知)
2位 ラ・サール(鹿児島)
3位 洛南(京都)
4位 灘(兵庫)
5位 久留米大学附設(福岡)
6位 開成(東京)
7位 東大寺学園(奈良)
8位 愛光(愛媛)
9位 甲陽学院(兵庫)
10位 四天王寺(大阪)札幌南(北海道)

地方のいわゆる寮制度のある名門校の実績が伸びてきています。特にラ・サールは卒業生のおよそ54.1%に及びます。(ちなみに卒業生の割合で一番高いのは5位の久留米大附設で68%)

なぜこのような現象が起きてきたのでしょうか。

理由は地方の危機感にあります。

国立大学医学部の合格者が関東の中高一貫校に独占される事態が近年続いていたので、地方から地元の国立大学の医学部を受験しても合格はかなり難しい状況になっていました。

東京から受験生が集まってきて、地元に合格者が出ないのです。

小学校のうちから受験準備をしている生徒に対して地方で対抗する術はあまりない。実際に上記の名門校があるのも、一部の都道府県に限られます。

とすれば、医学部に行くためには、そういう学校を中学から受験する必要が出てきたので、一気にここのところ情勢が変わってきたているのです。

関東の中高一貫校の場合、特に医学部にという特徴が出てくる学校はそう多くはありません。しかし、地方の寮制度のある学校は、医学部に進みたい生徒が集まってきているのです。

しかし、少なくとも東京の私立一貫校に独占されるよりは、良い傾向といえるかもしれません。

それぞれの地域の医療はしっかり守られなければいけないのですから。

大学受験のローカル化

実は、大学受験もローカル化が進んでいます。

関西在住の子は、やはり関西の大学に行くことが多くなってきた。九州の子も、北海道の子もそうです。

これはやはり東京に出るのは「経済的な負担が大きい」からでしょう。

ローカルな経済圏で言えば、その地域の大学を出て、その地域で就職するということであれば、それもまったく問題ではないのです。

が、一方で、子どもたちの可能性をさらに広げる手もある。

以前、中学受験の教材開発に関わった新卒の社員からこんな話を聞きました。

「僕は、この仕事に関わるまで、あまり中学受験の世界のことは知りませんでした。僕は愛知県の高校で、愛知の大学に行きましたから、まあ、それでも良かったんですが、しかし、一念発起で東京の大企業に就職してみたら、もうみんなキャリアが全然違う。何だ、これは、みたいな感じで。ちょっと焦りましたね。」

まあ、それでも本人は東京に出てきたかった、という意志があり、それを実現できたから、また新たな可能性が開いているわけで、人材の活性化を考えると、ローカル化はプラスではないかもしれません。

地方に生まれれば、それは仕方がない、ではなく、違う可能性を追い求めるチャンスを創っていけるようになればと思います。

中学から親元を離れる?

基本的に首都圏の中学は、寮はありません。

したがって、首都園の中学に入学するからには、何らかの通学手段が必要になります。

例えば、親戚の家から通う、あるいは住宅を用意して、保護者の方が一緒に住む。

高校になると寮や下宿に済んでも問題はない学校が多いですが、しかし、中学の場合はやはりその負担が大きくなります。

一方で、地方の私立の中高一貫校は、寮を用意している学校が少なくありません。

ただ、このケースでは、やはり医学部志望の生徒が多いように見受けられます。

医学部は、国立と私立の経済的負担の差が大きいので、やはり国公立へ、という希望があるので、早くから受験準備を始めたいという気持ちが強いのかもしれません。

しかし、医学部志望でなくても、今後のことを考えて首都圏に移住される予定の方もおられるでしょうし、あるいは子どもたちだけを今後のために首都圏の学校に行かせようと考えるご家庭もあるでしょう。

コロナ禍で私たちはいろいろなことを学びましたが、そのひとつがインターネットの活用です。

実際に私共は教室を持っていましたが、コロナ禍を機に、教室をやめてオンライン専業になりました。元々、オンラインで勉強することを中心に考えていたので、逆にこれはチャンスでした。

すでにスタートして7年目に入りますが、充分にオンラインだけで子どもたちの受験準備は可能です。

だから、地方から首都圏の中学を狙うことは充分に可能です。

ご家庭の考えの中で、これから子どもたちの将来を考え、首都圏の子と同じような経験をさせていこうとお考えであれば、大きなチャンスがあると考えていただいて良いかと思います。