2025年 灘中学 1日目 理科4です。
図1のように、軽い(重さが無視できる)糸の下端に重さ10gのおもりをつなぎ、上端を天井につないで、つり合わせて静止させます。
このとき糸は、おもりを10gの力で上向きに引き、同時に天井を10gの力で下向きに引いています。これを「糸の張力は10gである」と表現 します。つまり、10gの張力をもつ糸は、両端につながる相手をそれぞれ10gの力で引いているわけです。
なお、本問では力の単位としてg(グラム)を用いることにします。
問1 図2のように糸とおもりをつないでつり合わせたとき、図2の①の部分の張力は10gです。②の部分の張力は何gですか。
図3のように定滑車(軸の位置が固定されている滑車のこと)を用いて、1本の糸でおもりと壁をつなぎます。糸は途中で曲がっていますが、滑車のところで糸は自由に動けるので、糸の張力は糸のどの部分でも等しく10gになります(③の水平な部分の張力も10gです)。
問2 図4のように2個の定滑車を用いて、1本の糸と2個のおもりをつないでつり合わせたとき、④の部分の張力は何gですか。
(図4~図9はどれも左右対称の配置です)
図5のように2個の定滑車を用いて、2本の糸とおもり3個をつないだところ、図5のような形でつり合うことがわかりました。このことを参考にして以下の問いに答えなさい。図中のはすべて30度を表しています。
問3 図6のように2個の定滑車を用いて、3本の糸とおもり4個をつないだところ、図6のような形でつり合いました。両端のおもり の(1個分の)重さXgはいくらですか。
問4 図7のように2個の定滑車を用いて、5本の糸とおもり5個をつないだところ、図7のような形でつり合いました。両端のおもり の(1個分の)重さYgはいくらですか。
図6の⑤の部分の張力をAgと書くことにします。以下の問いに整数か小数で答えなさい。
問5 図7の⑥の部分の張力は、Agの何倍になっていますか。
問6 図8のような形にしてもつり合わせることができます。図8の⑦の部分の張力はAgの何倍になっていますか。
問7 図9のような形にしてもつり合わせることができます。図9の⑧の部分の張力はAgの何倍になっていますか。
【解説と解答】
問1 ②の部分には20gかかるので、張力は20gです。
(答え)20g
問2 図3は壁が10gを支えています。したがって図3と図4は同じになるので、③が10gであれば、④も10gです。
(答え)10g
問3 本来水平な部分に10gの張力がかかっていますが、下図でCに下向きに10gのおもりがかかっているのは、Oに10gのおもさがかかっているので、それがOにおける張力とつりあうと考えます。
図10
同じように図6を考えると、下図のように張力10gが2つになるので、Xは20gになります。
図11
(答え)20g
問4 図7は下図のように、さらに真ん中に10gの張力が増えるので、30gになります。
図12
(答え)30g
問5 図5の中央は2つのおもりで両方から引っ張られています。つまりこれは図4と同じです。つまり④の張力と図5で10gのおもりが30°の角度で下に引く力と同じになります。同じように、図6の⑤の張力は、図7の⑥と同じになりますから、1倍です。
(答え)1倍
問6 図8で⑦にはAの半分の張力がかかります。したがってAの0.5倍です。
(答え)0.5倍
問7 図9は15gのおもりに変えたのと同じになるので、Aの1.5倍です。
(答え)1.5倍
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