2025年 開成中学の問題です。
金属線の太さ(断面の面積)やばねの太さ、巻き数を変えながら図1のようなばねをつくりました。図2のように、つくったばねの一端を水平な床に固定し、他端におもりをのせてばねの長さの変化を測定しました。測定の際、ばねは常に床に対して垂直でした。ばねの重さは無視できるものとして、以下の問いに答えなさい。
問1 金属線の太さを0.08mm2、ばねの太さを16mm2、巻き数を27回にしてばねをつくり、ばねにのせるおもりの重さを変えてばねの長さを測定しました。表1はその結果を表しています。「ばねの長さを1cm縮めるのに必要なおもりの重さ[g/cm]」を答えなさい。答えは四捨五入して整数で求めなさい。このようにして求めたものを、以下では「ばね定数」と呼ぶことにします。
【解説と解答】
10gで0.25cm、20gで0.5cm縮んでいます。
求める値はばねの長さを1cm縮めるのに必要な重さですから、1cm縮めるには1÷0.25×10=40gです。
(答え)40
問2 金属線の太さを0.12mm2、ばねの太さを16mm2にしてばねをつくり、ばねの巻き数を変えながらばね定数を測定しました。表2はその結果を表しています。ばねの巻き数が80回であるときのばね定数[g/cm]を答えなさい。答えは四捨五入して整数で求めなさい。
【解説と解答】
表からばねの巻き数とばね定数は反比例しています。
したがってばねの巻き数が80回のときはになるので、243×
=30.375≒30
(答え)30
問3 ばねの太さを9mm2、巻き数を60回にしてばねをつくり、金属線の太さを変えながらばね定数を測定しました。表3はその結果を表しています。ばね定数が121.5 g/cm であるときの金属線の太さ[mm2]を答えなさい。答えは四捨五入して小数第2位まで求めなさい。
【解説と解答】
金属線の太さが3分の4倍になると、ばね定数は9分の16倍、2倍になると4倍になっています。
54:121.5=4:9ですから、金属線の太さは倍にすればよいので、0.09×
=0.135≒0.14
(答え)0.14mm2
問4 金属線の太さを0.30mm2、巻き数を50回にしてばねをつくり、ばねの太さを変えながらばね定数を測定しました。表4はその結果を表しています。ばねの太さが81mm2であるときのばね定数[g/cm]を答えなさい。答えは四捨五入して整数で求めなさい。
【解説と解答】
ばねの太さ | 9 | 36 | 144 | 255 |
3×3 | 6×6 | 12×12 | 15×15 | |
ばね定数の割合 | 1 | ![]() |
![]() |
![]() |
ばね定数 | 720 | 90 | 11.25 | 5.76 |
となるので、ばねの太さがn×n倍になると、ばね定数の割合は×
×
になります。
81mm2は9mm2の3×3倍なので、ばね定数はになるから、720÷27=26.666≒27g/cm
(答え)27g/cm
問5 問2~問4の結果から、金属線の太さを0.16mm2、ばねの太さを36mm2、巻き数を25回にしてばねをつくったときのばね定数[g/cm]を答えなさい。答えは四捨五入して整数で求めなさい。
【解説と解答】
1) 巻き数とばね定数は反比例する。
2) 金属線の太さがn倍になると、ばね定数はn×n倍になる。
3) ばねの太さがn×n倍になると、ばね定数の割合は×
×
になる。
問1から金属線の太さが0.08mm2、ばねの太さが16mm2、まき数27回の時ばね定数は40g/cmでした。
まず巻き数を25回にすると、になるから、反比例なので、40×
=43.2
金属線の太さが0.16mm2なので、2倍だから、4倍になるので43.2×4=172.8
ばねの太さが36mm2なので、倍になるから
×
×
=
172.8×=51.2≒51
(答え)51g/cm
問6 輻8.7cmの箱の中に問1で使用したばね3本と幅1.1cmの仕切りを入れたところ、図3のように静止しました。図3は箱を上から見たもので、右側の2本のばねは同じ長さになりました。仕切りの左側のばねの長さ[cm]を答えなさい。答えは四捨五入して小数第1位まで求めなさい。
【解説と解答】
問1のばねは、自然長が5cmで10gについて0.25cm伸縮します。
8.7ー1.1=7.6cmが3つのばねの合計ですが、右側にかかる力を【20】gとするとそれぞれに【10】gかかるから右側のバネの長さは5-【0.25】
左側には【20】がかかるので、5ー【0.25】×2=4.5-【0.5】 合計10-【0.75】=7.6
2.4÷0.75=3.2となるので、5-3.2×0.5=3.4
(答え)3.4cm
問7 問1で使用したばねをばねaとし、ばねaの巻き数を54回にしたものをばねbとします。厚さと幅が変わらない重さ50gの板の両端A、Bをばねαとばねβで支えました。板の上のCに重さ140 g の球をのせたところ、図4のように板は水平になり、球は板の上で静止しました。「AからCまでの距離」:「CからBまでの距離」を最も簡単な整数比で答えなさい。ただし、おもりをのせないときのばねの長さは、ばねの巻き数に比例するものとします。
【解説と解答】
問1で使用したばねは、巻き数が27回でしたから、巻き数を54回にすると、ばね定数は半分になるので、ばねbのばね定数は20g/cmです。
最初の長さは巻き数に比例するので、ばねaの自然長が5cmに対してばねbの自然長は10cmです。
したがってばねbを5cmにするために5cm縮めないといけないので、20×5=100g さきにBにかけます。
さらにaとbのばね定数の比は2:1になるので、同じ割合で縮めるには2:1の重さが必要になります。
板は50gですから、25gずつAとBにかかります。
Aに【2】、Bには【1】+100gですが、板の重さを引くので、
【2】-25+【1】+75=【3】+50=140から【1】=30g
したがっておもりはAに30×2-25=35g Bには30+75=105gがかかるのでAC:CB=105:35=3:1
(答え)3:1