海城中2024年度理科 硫酸銅の溶解度と水和物

問題

次の文章を読んで、以下の各問いに答えなさい。なお、数値で答えるものは、必要であれば四捨五入して整数で答えなさい。

硫酸銅は水の検出に用いられることがある物質です。これは、白色の硫酸銅が水を取り込むと青色に変化する性質を利用しています。

水を取り込むことで青くなると別の物質に変化したように感じますが、この色の違いは水を取り込んでいるかどうかだけでどちらも硫酸銅です。まったく水を取り込んでいない白色のときを無水塩と呼び、水を取り込んで青色になったときは水和物と呼びます。

この硫酸銅を用いて、以下の実験Ⅰ~Ⅲを行いました。

実験Ⅰ 33 ℃の水100 gに硫酸銅の無水塩を限界まで溶かしたところ、25 g溶けて青色の硫酸銅水溶液が得られた。

実験Ⅱ 実験Ⅰの水溶液の温度を53 ℃まで上げて再び硫酸銅の無水塩を限界まで溶かしたところ、さらに11 g溶けた。

実験Ⅲ 実験Ⅱで得られた硫酸銅水溶液を33 ℃に冷却したところ、青色の結晶が20 g得られた。

問1 水の検出について、次の(1)、(2)に答えなさい。

(1) 水の検出に用いられる試験紙として適当なものを次のア~ウから1つ選び、記号で答えなさい。
ア 赤色リトマス紙  イ 青色リトマス紙  ウ 塩化コバルト紙

(2) 硫酸銅のように水を取り込むことで色が変わる性質をもつ物質が用いられる例として最も適当なものを次のア~エから1つ選び、記号で答えなさい。
ア 乾燥剤  イ 消臭剤  ウ 防腐剤  エ 防虫剤

問2 33 ℃の硫酸銅の飽和水溶液の濃度は何%ですか。

問3 53 ℃の水150 gに硫酸銅の無水塩は最大何g溶かすことができますか。

問4 実験Ⅲで得られた青色の硫酸銅の水和物の結晶について、次の(1)、(2)に答えなさい。

(1) 実験Ⅲで得られた結晶20 gを加熱すると、硫酸銅の無水塩が12.8 g得られました。実験Ⅱで温度を上げて溶かした量よりも多くなっている理由を簡潔に説明しなさい。

(2) 実験Ⅲで結晶が得られた後の硫酸銅水溶液の濃度は何%ですか。

問5 実験Ⅲで得られた結晶と同じ割合で水を取り込んでいる硫酸銅の水和物について、次の(1)、(2)に答えなさい。

(1) この硫酸銅の水和物を33 ℃の水100 gに溶かすとき、最大何g溶かすことができますか。

(2) この硫酸銅の水和物100 gを加熱していくと、次の図のように重さが変化して64 gの無水塩になることが知られています。この図からわかることを述べた下の文中の【 X 】~【 Z 】に当てはまる数値をそれぞれ答えなさい。

硫酸銅の水和物100 gを加熱した際、質量が102 ℃で100 gから85.6 gへ、113 ℃で71.2 gへ、150 ℃で64.0 gへ段階的に減少することを示したグラフ。
海城 2024年度入学試験 理科 大問2から引用

十分な水を取り込んだ硫酸銅の水和物が無水塩になるまでに3回重さが減少をすることがわかる。

取り込んでいた水の量を100%とすると、102 ℃のところで【 X 】%の水分が、113 ℃のところでさらに【 Y 】%の水分が、最終的に150 ℃のところでさらに【 Z 】%の水分が放出されることで無水塩になることがわかる。

出典:海城中学校『2024年度入学試験問題 理科』大問2(問題図・表を含む)

解答:問1 (1) ウ (2) ア
問2 20
問3 54
問4 (1) 結晶に取り込まれた水が溶媒から減っているため、溶けている硫酸銅が少ないから。 (2) 20
問5 (1) 45 (2) X 40 Y 40 Z 20

この大問では、無水硫酸銅と、結晶に取り込まれた水を分けて考えます。問1(1)は、水の有無によって色が変わる塩化コバルト紙を選ぶのでウです。水を取り込む性質は乾燥剤に利用されるため、(2)はアになります。

問2では、溶解度と濃度を混同しないことです。33℃で水100gに無水硫酸銅25gが溶けると、水溶液全体は125gになります。したがって濃度は25÷125×100=20%です。分母は水100gではなく、水溶液125gです。

問3は実験Ⅰと実験Ⅱを続けて考えます。53℃では、水100gに溶ける無水硫酸銅は25+11=36gです。水が150gなら1.5倍ですから、最大で36×1.5=54g溶けます。

問4では、青色の結晶20gをすべて無水硫酸銅として扱うことはできません。加熱後に残る無水塩は12.8gなので、差の7.2gは結晶に取り込まれていた水です。冷却すると、無水硫酸銅だけでなく水7.2gも水溶液から結晶へ移ります。溶媒の水が減れば、溶けていられる無水硫酸銅も少なくなります。そのため、結晶中の無水塩12.8gは、温度を上げたときに追加した11gより多くなります。

結晶ができた後に残るのは、無水硫酸銅が36-12.8=23.2g、水が100-7.2=92.8gです。問4(2)の濃度は、23.2÷(23.2+92.8)×100=20%となります。問5(1)では、水和物の64%が無水塩、36%が水です。水和物をx g溶かすと、無水塩は0.64x g、水は100+0.36x gになります。33℃での比25:100から、0.64x=0.25(100+0.36x)です。xは約45.45gですから、答えは45gとなります。

問5(2)では、水和物100gに含まれる水36gをもとに計算します。102℃までに減った14.4gは36gの40%です。113℃までの次の減少も14.4gなので40%、最後の減少は7.2gなので20%です。したがってXは40、Yは40、Zは20です。後半では、結晶を無水塩と水に分けて追うことが計算の中心になります。