問題
4.一定量の水に溶ける物質の重さには限度があり、水100 gに溶けることができる物質の重さの最大量を溶解度といいます。また、水に物質を最大量溶かした水溶液を飽和水溶液といいます。
図1は、しょう酸カリウム、りゅう酸銅、塩化ナトリウムの3種類の物質について、温度と溶解度の関係を表しています。図2は、いくつかの温度における図1の値を読み取ったものです。ただしそれぞれの物質は、水溶液中に混在していたとしても、他の物質の溶解度に影響を与えないものとします。
図2 温度(℃):20、40、60、80/しょう酸カリウム(g):32、64、109、169/りゅう酸銅(g):20、29、40、56/塩化ナトリウム(g):35.8、36.3、37.1、38
問1 3種類の物質の水溶液について、共通して言えることは何ですか。次の(1)〜(4)について、正しいものには○、間違っているものには×と答えなさい。
(1) 一定温度の水に溶かすことのできる物質の最大量は、水の重さに比例する。
(2) 水の重さが一定の場合、溶解度は温度に比例する。
(3) 同じ温度で比べると、溶解度が小さい物質の飽和水溶液の方が、溶解度が大きい物質の飽和水溶液より濃度が大きい。
(4) 水を蒸発させていくと、水に溶けていた物質が結晶となって出てくる。問2 80℃の水50 gが入ったビーカーに、しょう酸カリウムを40 g、りゅう酸銅と塩化ナトリウムを8 gずつ加えて完全に溶かしました。この水溶液を20℃まで冷やしたとき、結晶となって出てくる物質の重さはそれぞれ何gですか。ただし、結晶が出てこない物質については0 gと答えなさい。
問3 150 gの水に150 gのしょう酸カリウムを加えてかき混ぜながら加熱し、すべて溶かしました。この水溶液を冷やすと、結晶ができ始めるのは何℃ですか。
【実験】
① 50 gの水に白色のりゅう酸銅の粉末(図3)8 gを加え、かき混ぜながら加熱して溶かしたところ、青色の水溶液になりました。
② ①の水溶液をさらに加熱し続けて水を蒸発させると、青色の結晶ができ始めました。
③ 水がほとんどなくなるまで加熱し、その後数日間放置することによって、乾いた青色の結晶(図4)を得ました。この結晶の重さは12.5 gでした。
④ ③の青色の結晶を蒸発皿に入れ、結晶のまま加熱しました。しばらくすると、結晶の内部から水が出て蒸発していきました。結晶の色は、水が蒸発するにしたがって、次第にうすい水色になっていきました(図5)。
⑤ 途中で火を止めてうすい水色の結晶の重さをはかると、10.7 gでした。
⑥ さらに加熱を続けると、結晶は完全に白色の粉末になりました。この粉末の重さは8 gでした。
⑦ ⑥の結晶8 gを用いて再び①〜③の操作を行ったところ、12.5 gの青色の結晶が得られました。問4 ⑤のとき、図4の結晶に含まれる水の何%が蒸発しましたか。
問5 ⑥のとき、結晶に含まれる水の何%が蒸発しましたか。
問6 ③と同じ青色の結晶50 g中に、水は何g含まれますか。
水100 gに、白色のりゅう酸銅の粉末40 gを加え、60℃まで加熱したところ、りゅう酸銅の飽和水溶液が得られました。この水溶液をある温度まで冷やしたところ、図4と同じ青色の結晶が25 g得られました。
問7 得られた青色の結晶を完全に加熱して得られる白色の粉末は、何gですか。
問8 青色の結晶を取り出した残りの水溶液には、水が何g残っていますか。ただし、結晶を取り出すときの水溶液の減少や、水の蒸発は無視できるものとします。
問9 白色のりゅう酸銅の粉末には、どのような利用方法が考えられますか。次のア〜オの中から最も適するものを選び、記号で答えなさい。
ア.加熱すると気体が発生することを利用して、発泡剤として利用できる。
イ.水で色が変わることを利用して、空気中の水分を検知することに利用できる。
ウ.青い色の水溶液になることを利用して、酸性やアルカリ性を調べるのに利用できる。
エ.水に溶かして得られる結晶が重くなることを利用して、消火剤として利用できる。
オ.水の温度が高いほどよく溶けることを利用して、食品の加熱に利用できる。鴎友学園 2026年度入学試験 理科 大問4から引用 鴎友学園 2026年度入学試験 理科 大問4から引用 鴎友学園 2026年度入学試験 理科 大問4から引用 鴎友学園 2026年度入学試験 理科 大問4から引用
出典:鴎友学園中学校『2026年度入学試験問題 理科』大問4(問題図・表を含む)
解答:問1 (1) ○ (2) × (3) × (4) ○
問2 しょう酸カリウム:24 g、りゅう酸銅:0 g、塩化ナトリウム:0 g
問3 56℃
問4 40%
問5 100%
問6 18 g
問7 16 g
問8 91 g
問9 イ
問1は、溶解度が「水100gに溶ける最大量」であることから考えます。温度が同じなら、溶ける最大量は水の重さに比例するので(1)は○です。一方、図1の曲線は直線ではありませんから、温度に比例するという(2)は×。同じ量の水なら、多く溶ける物質の飽和水溶液ほど濃くなるため、大小を逆にした(3)も×です。水を蒸発させれば溶けていられる量が減り、余った物質が結晶になるので(4)は○になります。
問2では、水が50gですから、20℃で溶ける最大量は図2の値の半分です。しょう酸カリウムは16gまでなので、40−16=24gが結晶になります。りゅう酸銅は10g、塩化ナトリウムは17.9gまで溶けます。加えた量はいずれも8gですから、結晶は0gです。
問3は水の量を100gにそろえます。水150gにしょう酸カリウム150gなら、水100g当たり100gです。図1で、しょう酸カリウムの溶解度が100gになる温度を読むと56℃。ここからさらに冷やすと、溶けきれなくなった分が結晶として出始めます。
実験では、青色結晶12.5gを完全に加熱すると白色粉末8gになりました。差の4.5gが、もとの結晶に含まれていた水です。問4では⑤までに12.5−10.7=1.8g減っているので、蒸発した水の割合は1.8÷4.5×100=40%。問5の⑥では白色粉末だけになったため、水はすべて蒸発して100%です。問6は同じ割合を50gに当てはめ、50×4.5÷12.5=18gとなります。
この関係を問7と問8にも使います。青色結晶25gは12.5gの2倍ですから、完全に加熱した後の白色粉末も8gの2倍で16gです。すると25gの結晶に含まれる水は25−16=9g。最初の水100gのうち9gが結晶に取り込まれたので、残った水溶液中の水は100−9=91gです。
問9では、白色のりゅう酸銅が水を取り込むと青色に変わる性質を使います。この色の変化で空気中の水分を検知できるので、答えはイです。




