海城中2025年度理科 電熱線の抵抗と直列・並列回路

問題

1.次の文を読んで、以下の各問いに答えなさい。ただし、数値で答えるものは、必要であれば四捨五入して小数第2位まで答えなさい。

回路に電流を流そうとするはたらきのことを電圧といい、その大きさはボルト[V]という単位で表します。図1のように、電圧の大きさを調整できる電源装置に電流計と端子X、Yをつなぎます。この端子XY間に同じ性質の電熱線を1つから3つの個数で、直列や並列でつないだところ、電源装置の電圧と電流計の値は図2のようになりました。

また、電流の流れにくさを抵抗値とよび、これは「(かけた電圧)÷(流れた電流)」で表されます。例えば、図2から1つの電熱線の抵抗値は10となります。

問1 つなぐ電熱線の個数やつなぎ方と、端子XY間につないだ電熱線全体の抵抗値について、適当なものを次のア〜エから2つ選び、記号で答えなさい。

ア 電熱線を直列につないだ個数と、抵抗値は比例する。
イ 電熱線を直列につないだ個数と、抵抗値は反比例する。
ウ 電熱線を並列につないだ個数と、抵抗値は比例する。
エ 電熱線を並列につないだ個数と、抵抗値は反比例する。

以降、電源装置の電圧は、3 Vに固定し、つなぐ電熱線はすべて、図2の性質をもつものとします。

図3のように電熱線をつないだ場合、端子XY間には電流が流れる経路が2つできますが、電流計の値は、端子XY間に「電熱線を2つ直列につないだだけの場合に流れる電流の大きさ」と「電熱線を1つつないだだけの場合に流れる電流の大きさ」の和になります。
電流が流れる経路が3つ以上に分かれる場合でも同様に、電流計の値は、それぞれの経路だけの場合の電流の大きさの和になります。

問2 図3で電流計の値は何 Aですか。

問3 図4のように4つの電熱線をつないだとき、電流計の値は何 Aですか。

図5のように4つの電熱線をつないだ回路について考えます。
この場合、図2より並列部分での抵抗値は、1つの電熱線の抵抗値の0.5倍となります。直列部分の2つの電熱線と合わせて、4つの電熱線全体での抵抗値は、1つの電熱線の抵抗値の2.5倍となります。

問4 図5で電流計の値は何 Aですか。

問5 図1で電源装置の電圧の大きさを3 Vにして、端子XY間に5つの電熱線をつないだところ、電流計の値は0.24 Aとなりました。このときの端子XY間の電熱線のつなぎ方を、解答欄の図に描きなさい。

図6のように金属端子a,b,c,dがあります。これらの端子間には電熱線や導線をつなぐことができ、端子間の状態には、「1つの電熱線をつなぐ」または「1つの導線をつなぐ」または「何もつながない」の3通りがあります。この端子a,b,c,dのいずれかに図1の端子X,Yをつないで、電源装置で3 Vの電圧をかけて、そのときの電流計の値を測ります。

問6 図7のように端子a,b,c,dに電熱線および導線をつないだ場合、端子X,Yをつないだ端子の組み合わせによって、電流計の値はどのようになりますか。表1の①〜④に入る適当な数値を答えなさい。ただし、電流が流れすぎて電流計の針が振り切れる場合(ショートする場合)には解答欄に「×」と答えなさい。

問7 図6の端子a,b,c,dのいずれかの端子間に、電熱線3つと導線1つをつないだところ、端子X,Yをつないだ端子の組み合わせによって表2のような電流計の値となりました。このときの電熱線や導線のつなぎ方を、解答欄の図に描きなさい。ただし、表2の「×」は、電流計の針が振り切れた(ショートした)ことを示しています。

問8 表2の⑤に入る適当な数値を答えなさい。

大問1の導入、電源装置と端子X・Yを示す図1、電熱線の個数・直列並列接続ごとの電圧と電流の関係を示す図2、および問1の選択肢。
海城 2025年度入学試験 理科 大問1から引用
3 Vに固定する条件、図3〜図5の回路、並列経路の電流に関する説明、および問2〜問5。
海城 2025年度入学試験 理科 大問1から引用
端子a・b・c・dを示す図6、電熱線と導線を接続した図7、端子間の電流値を示す表1・表2、および問6〜問8。
海城 2025年度入学試験 理科 大問1から引用

出典:海城中学校『2025年度入学試験問題 理科』大問1(問題図・表を含む)

解答:問1 ア・エ
問2 0.45
問3 0.75
問4 0.12
問5 図①
問6 ① 0.6 ② × ③ 0.6 ④ 0.2
問7 図②
問8 0.2

出発点は図2です。電熱線1つに3 Vをかけると0.3 A流れるので、抵抗値は3÷0.3=10 Ωです。同じ電熱線を直列につなぐと、抵抗値は個数に比例して増えます。並列につなぐと電流の経路が増え、抵抗値は個数に反比例します。したがって問1はアとエです。

問2では、図3を経路ごとに分けます。電熱線2つを直列にした経路は20 Ωですから、流れる電流は3÷20=0.15 A。電熱線1つの経路には0.3 A流れます。この二つを足して0.45 Aです。図4には、電熱線1つだけの経路が2本と、2つを直列にした経路が1本あります。問3は0.3+0.3+0.15=0.75 Aとなります。

図5は、並列部分を先にまとめます。2本の並列部分は5 Ωです。これに直列部分の電熱線2本分、20 Ωを足すと、全体は25 Ω。問4の電流は3÷25=0.12 Aです。

問5では、接続を考える前に、測定された電流から必要な抵抗値を逆算します。3÷0.24=12.5 Ωです。電熱線1本を直列につなぎ、その先に4本を並列につなぐと、並列部分は10÷4=2.5 Ω。全体が10+2.5=12.5 Ωとなるので、図①の接続です。

問6では、図7のaとcが導線で直接結ばれています。aとcは回路上では同じ点です。そのため、a―b間とc―b間の電熱線は並列となり、抵抗値は5 Ω。①と③は3÷5=0.6 Aです。a―c間は導線だけでつながるためショートし、②は×。b―d間では、この5 Ωとc―d間の10 Ωが直列になるので、④は3÷15=0.2 Aです。

問7は、表2のショートから導線の位置を決めます。ショートするのはb―d間だけですから、導線でbとdを結びます。するとbとdは同じ点になります。a―b間とa―d間に電熱線を1本ずつつなぐと、この2本は並列になり、どちらの測定でも0.6 Aです。残る1本をa―c間につなげば0.3 Aとなり、図②の接続と一致します。

この接続でb―c間を考えると、bからaまでは2本の電熱線の並列で5 Ω、aからcまでは電熱線1本で10 Ωです。合成抵抗は15 Ωなので、電流は3÷15=0.2 A。dはbと同じ点ですから、c―d間を測る問8の⑤も0.2 Aです。