土曜の塾

洛星を志望していると、塾の土曜ゼミや学校別講座に参加できるかどうかが気になることがあります。周囲が参加していると、「行かないと遅れるのではないか」と不安になるのも自然です。

ただ、土曜ゼミに出ること自体が目的ではありません。大事なのは、洛星の入試に向けて必要な力を、今の学習の中でどう積み上げていくかです。塾の予定に合わせることも大切ですが、すべてを塾の時間割に任せてしまうと、かえって家庭で見るべき課題が見えにくくなることがあります。

土曜ゼミは便利だが、万能ではない

塾の土曜ゼミや学校別講座には、まとまった演習時間を確保できるという利点があります。入試に近い形式の問題に触れたり、講師から学校別の注意点を聞いたりできることもあるでしょう。

しかし、それに参加していれば洛星対策が完成する、というわけではありません。逆に、参加できないから大きく不利になる、と決めつける必要もありません。

なぜなら、学校別対策で本当に重要なのは、授業に出たかどうかではなく、その子が何を身につけ、何を修正できたかだからです。塾の講座はそのための手段のひとつであって、目的ではありません。

洛星志望で見ておきたい力

洛星を目指す場合、まず大事にしたいのは、問題を読み切る力です。算数でも国語でも、途中で思い込みを入れてしまうと、条件を読み落としたり、問われていることと違う答えを書いたりします。

算数では、問題文を読んで図や表に整理できるか。式を立てる前に、何が分かっていて、何を求めるのかをはっきりさせられるか。ここが弱いと、難しい解法を覚えても安定しません。

国語では、本文のどこを根拠にして答えているのかを確認することが大切です。何となく雰囲気で書いた答案は、見た目は整っていても点になりにくい。短い記述でも、根拠と答えがきちんと結びついているかを見る必要があります。

こうした力は、土曜に長時間まとめてやれば身につく、というものではありません。むしろ、日々の演習の中で少しずつ確認し、直していく方が効果的です。

家庭では「教える」より「見取る」

家庭でできることは、必ずしも親が教えることではありません。むしろ、子どもがどう考えているかを見取ることの方が大事です。

たとえば算数なら、解き終わったあとに「どう考えたの?」と一言で説明させてみる。ノートを見ながらでもかまいません。説明があいまいなら、答えは合っていても理解が浅い可能性があります。

国語なら、「この答えの根拠は本文のどこ?」と聞いてみる。すぐに指させる子は、読みの筋道がある程度できています。逆に、答えは書けているのに根拠が示せない場合は、記述の練習以前に、読み方を整える必要があります。

この確認は、長時間である必要はありません。週に一度、15分でも十分です。親が全部を採点しようとすると続きません。見るポイントをひとつに絞ることです。

土曜の時間をそのまま家庭で再現しなくてよい

土曜ゼミに出られないからといって、家庭で同じ時間数を埋めようとすると、たいてい負担が大きくなります。大事なのは時間の長さではなく、何を確認するかです。

たとえば、平日に30分ずつ数回に分けて、算数の図の描き方だけを見る。あるいは、国語の記述で「根拠を本文から探す」練習だけをする。その方が、子どもにとっても続けやすく、親も管理しやすいでしょう。

特に6年生は、やるべきことが増えます。だからこそ、全部を詰め込むのではなく、今の時期に直すべき課題を絞る必要があります。塾の教材、過去問、家庭学習、個別指導を全部並べるのではなく、「今はこれ」と決めることが大切です。

一方、個別ワークスで補いやすいのは、講師の目で「どこでつまずいているか」を確認することです。新しい内容を次々に教わるというより、家庭では見えにくい原因をひとつ見つけて直す。その使い方の方が効果的です。

たとえば、算数で図を描かずに式だけで進めてしまう。国語で本文の根拠を使わずに自分の言葉だけで書いてしまう。時間配分が悪く、できる問題を落としている。こうした課題は、短い指導でもかなり具体的に修正できます。

ただし、何でも外に任せればよいわけではありません。家庭では、子どもが何をやったか、何で止まったかを見ておく。それをもとに必要なところだけ外部の力を使う。そう考えた方が、無駄が少なくなります。

塾の組分けに振り回されすぎない

もうひとつ注意したいのは、塾の組分けと志望校対策を同じものとして考えないことです。上のクラスにいるから洛星対策ができているとは限りませんし、クラスが下がったから志望校をあきらめる、という話でもありません。

組分けテストは、塾のカリキュラムの中での位置を示すものです。もちろん目安にはなりますが、洛星の入試で必要な力をそのまま測っているわけではありません。

だから、家庭では「クラスを上げるための勉強」と「洛星に向けた勉強」を少し分けて考える必要があります。両方を完全に分ける必要はありませんが、同じだと思い込むと、学校別の準備が後回しになります。

まず一週間でできること

まずは、今週やった問題の中から算数を1問、国語を1問だけ選んでください。そして、子どもに解き方や答えの根拠を説明させてみる。

算数なら、図や表を使って説明できるか。国語なら、本文のどこを根拠にしたのかを言えるか。ここを見るだけでも、今後の課題はかなり見えてきます。

土曜ゼミに行くかどうか、塾の講座をどう使うかは、その後で考えればよいのです。まずは、今の学習の中で洛星に向けた力が育っているかを確認する。そこから必要な補強を決めていく方が、現実的です。

受験勉強では、どうしても時間を増やすことに目が向きます。しかし、本当に大切なのは、何を直すかです。洛星を目指すなら、塾の流れに乗るだけでなく、家庭でも子どもの考え方を見ていく。その小さな確認が、あとで大きな差になります。

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