洛星を目指していて、算数の図形でつまずきが見えてくると、親としては不安になります。
このまま家庭学習で間に合うのか。個別指導に切り替えるべきなのか。本人が苦手意識を強めてしまわないか。いろいろ考えてしまうものです。
しかし、図形の弱点は、早めに状況を整理して、やることを絞れば、十分立て直せます。むしろ大事なのは、やみくもに問題数を増やすことではなく、どこで止まっているのかを見極めることです。
今回は、洛星志望のお子さんが図形で苦戦している場合に、家庭でどう立て直していくか、また、どの段階で個別指導を考えればよいのかを整理してみます。
最初にやるべきことは、現状の診断です。
図形が苦手、とひとことで言っても、実際にはいろいろあります。図を見て条件を読み取れないのか、補助線が引けないのか、相似や面積比などの基本事項があやしいのか、それとも考え方は分かっているのに時間がかかりすぎるのか。ここを分けて見ないと、対策がぼやけます。
そのためには、まず過去問を1年分ほど解いてみて、図形の問題だけを抜き出してみるとよいでしょう。正解・不正解だけでなく、どこで止まったのか、どのくらい時間がかかったのかを見るのです。
さらに、基本的な平面図形や立体図形の問題を10問ほど用意して、簡単な確認をしてみると、つまずきの場所がはっきりします。図が描けないのか、条件整理が苦手なのか、公式や性質の使い方が曖昧なのか。この診断が、その後の学習の出発点になります。
診断ができたら、次は4週間から8週間くらいの短い立て直し期間を考えます。
最初の1週間は、基礎の確認です。作図の基本、角度や面積、相似の見方など、土台になるところを見直します。ここでは難しい問題を解く必要はありません。基本をきちんと使えるかどうかを確かめることが大切です。
次の段階では、図を読む力と、必要な線や関係を書き込む力をつけていきます。図形が苦手な子の多くは、頭の中で考えようとして止まります。実際には、図に書き込みながら整理する力が必要です。ですから、問題を見てすぐ式に行くのではなく、まず図に情報を落とす練習をしていきます。
その上で、相似、面積比、対称性、比の利用など、洛星で問われやすいテーマごとに整理していくと、少しずつ解き方の型が見えてきます。1回にたくさんやる必要はありません。30分から50分程度の学習を、週に数回、丁寧に続ける方が効果があります。
そして、基礎が少し整ってきたら、短い過去問演習を入れていきます。最初から大問全部を通しでやる必要はなく、図形の問題を1問ずつ扱えば十分です。できなかった問題は、答え合わせだけで終わらせず、なぜその補助線になるのか、なぜその解法になるのかを言葉にしておくと、次につながります。
ここまで家庭で進めても、改善が見えにくいことはあります。
例えば、4週間ほどやっても正答率がほとんど上がらない。解説を読めば分かるが、自分では組み立てられない。試験になると焦って白紙になってしまう。こういう場合は、個別指導を検討する意味があります。
集団塾は全体を進める力がありますが、図形のように一人ひとりのつまずき方が違う分野では、短期的にピンポイントで立て直すには限界がある場合があります。逆に個別指導は費用はかかるものの、弱点がはっきりしているなら、短期間で効果が出ることがあります。
ですから、個別に切り替えるかどうかは、「不安だから」ではなく、「家庭で原因が見えているのに改善しないかどうか」で判断するのがよいでしょう。
また、家庭での役割は、教え込むことではありません。親がやるべきことは、状況を整理し、学習の環境を整え、毎週少しずつ振り返ることです。今日はどこまで分かったか、何がまだ曖昧かを短く確認するだけでも、子どもの気持ちはかなり落ち着きます。
逆に、できなかったことだけを責めたり、解き方をすぐに教えすぎたりすると、図形はますます嫌になります。小さくても「ここは自分で線が引けた」「前より早く条件が読めた」という変化を見ていくことが大事です。
もし個別指導を依頼するのであれば、担当者に、どの単元をどれくらいの期間で改善する見込みなのか、家庭では何をすればよいのか、進捗をどのように共有するのかを確認しておくとよいでしょう。具体的な見通しを示せるかどうかは、一つの判断材料になります。
洛星の図形は、ただパターン暗記で押し切るというより、条件を整理し、図を読み、筋道を立てて考える力が問われます。だからこそ、あわてて量を増やすよりも、診断をして、短く立て直し、少しずつ型を積み上げていくことが大切です。
まずは過去問の図形を1年分見直して、お子さんがどこで止まっているのかをはっきりさせてみてください。そこから4週間の立て直しを始めるだけでも、次の一歩はかなり明確になります。
個別の添削や指導が必要な場合は、邦学館 個別ワークスをご利用ください。
